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『春夏秋冬』
Sion
Sion
あらゆるところで言われるわかりきったことをここでわざわざ繰り返すのも何だが、早いものでもう12月である。この1年は僕にとっては受験生時代に次ぐ忙しさだったかもしれない。まあそうは言ってもたかが知れているんだけど、それでも心的ストレスを強く感じることはままあった。おそらくこの大学2年の1年間は、これからの僕の人生においてそれなりの意味を持つようになるのではないか。始まったばかりのこのブログでこんなことを書くのも変な感じだけど。まあいいさ。
12月
街はクリスマス気分
あちこちから思い出したようにジョンの声
そして俺ときたらいつもこのごろになると
なにかやり残したよなやわらかな後悔をする
(「12月」より)
街はクリスマス気分
あちこちから思い出したようにジョンの声
そして俺ときたらいつもこのごろになると
なにかやり残したよなやわらかな後悔をする
(「12月」より)
シオンのこの2ndアルバムは1987年、つまり僕の生まれる前年にリリースされたものである。自分よりも2回りも上の世代になるわけだが、このアルバムに詰まった少々照れくさい反抗心とセンチメンタリズムは、20年後の若者である僕にも大いに共有しえるものだ。
タイトルトラックの「春夏秋冬」はもちろん泉谷しげるの名曲のカバーである。ここでは原曲にある「汚いところですが、暇があったら寄って下さい/ほんのついででいいんです、一度寄ってみて下さい」という一節がカットされている。原曲は諦観溢れる辛気臭いフォークであるが(もちろんそれはそれで素晴らしいのだけど)、シオンの「春夏秋冬」は諦めつつも確実に前を向いている。そこにはギラギラした何かがあるのだ。それはパンク以降の精神性なのかもしれないが、とにかく「春夏秋冬」という曲に新たな価値を与えるのに成功している。きつい時、本当にこの曲には助けられた。
邦楽には決して聡くない僕であるが、なんの因果かCDレビュー第一弾は日本人アーティストとなった。しかしながら、やはり言葉がわかるというのはいいものだ。こういった骨のある日本の音楽に出会うと、本当に嬉しくなる。
Sion - 春夏秋冬
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