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孤独な趣味の世界
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2011年は本当に凄い年でしたね。

「アラブの春」と今では呼ばれる民主化運動に始まり、この日本を襲った未曾有の大震災と原発事故、グローバル経済の破綻と、不条理な格差に対する抗議運動。もちろん、これらに関する音楽も数多く作られました。

Sout Al Horeya صوت الحريه


Gagle - うぶごえ


景気が悪化し社会が混迷する時にこそ優れた芸術が生まれやすいというジンクスを僕は信じているのですが、こうした世相を反映してか、昨年は本当に良い音楽との出会いが多かったように思います。
ただこれは今に始まったことではないのだけれど、その出会いの多くはインターネットメディアを介してのものであり、自分が音楽にのめりこみ始めたこのたった十年かそこらの間でも、音楽の受容の形態が劇的に様変わりしたことに気づかされます。
なんでもデジタル配信、あるいはタダでダウンロードというご時世でも、アメリカなどでは逆にヴァイナルの売り上げが伸びているとも伝え聞きます。まあ僕の場合、なにかご大層な主義だとかそういうのではなくてただ時代に乗り遅れているだけで、ただ惰性でCDなりレコードなりを買い続けています。
さて、議論の着地点を見失ってきたところで、僕が昨年よく聴いたアルバムを以下に紹介しましょう。豊作だったうえに大して聴きこんでもいないので、強いて序列をつけることはせずに、気に入ったものをミュージックヴィデオとともに並べるだけにしておきます。
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また随分と久しぶりの更新となってしまいました。

ちょっと訳あって十月は全力でのんびりしていたのだけれど、気がついたら卒論がヤバイことになっていて、青息吐息のままあれよあれよと12月も半ばになってしまいました。卒論も無事に仕上がってあとは製本という段階で、まあ何とか卒業はできそうです。来月にまた一ヤマ控えているから、うかうかしてはいられないのだけど。

友人とフランス語の勉強会を週一のペースでしていることもあって、近頃すっかりフランスびいきなのです。やはり語学の勉強はいかに長くその言語に触れているかということにかかっているので、全然聞き取れないにせよラジオやらビデオやら、いろいろと試してます。ということで、最近お気に入りのラップ・フランセのビデオでも貼ろうかと。

1995 - La source

どミドル・スクールなトラックが良いですねー。これぞヒップホップですわな。

Demi Portion - Mon Disco vol.2

「BIC(ボールペンのブランド)の職人」を名乗る人。音使いからしてもアラブ系なんですかね、きっと。

Rayess Bek - Schizophrénia

こちらはフランス語とアラビア語で1バースずつ。「分裂病」とは言い得て妙。ビデオも秀逸です。

フランスだとヒップホップは移民問題とかなりダイレクトに結びついているのだとか。
その辺のことを書いた本として、フランスで暴動が頻発した2006年に出た陣野俊史さんの『フランス暴動―移民法とラップ・フランセ』があるけれど、これはちょっとジャーナリスティックすぎてイマイチだったという印象。
今年のロンドン暴動でも、ギャングの人たちが自分たちの曲のビデオ作ってYoutubeにあげてたりして、グライムというのだそうだが、あれもカッコいいのあったもんなあ。
誰かそのうち「移民・郊外・ラップ」とかでガッツリ書いてくれないものだろうか。
そうそう、そういえばその勉強会の友人がこの前「ヒップホップはやせ我慢の音楽じゃん」って言ってて凄い納得しました。

うわ、何だかのんべんだらりと散漫になっちまいやしたが、そのうちまたなんか書きます。それじゃ。


---追記---
「移民とラップ」をよその国のことのように書いてしまいましたが、日本でも80年代以降の「ニューカマー」の子どもたちが成長してきており、彼らもまた日本語でなり母語でなりラップをしています。
ちょっとにわかには信じがたいけど、これ、広尾の駅。

やっぱり面白いぜ、ヒップホップ。


 ここしばらく色々と忙しく、あまり趣味に時間を割けない日々が続いていたのだけど、一週間ほど前にどうにかこうにかひと段落ついたので、先日、久しぶりにお酒を飲みながらスーパーユーチューブタイムを過ごすことができた。その時に酔眼で何度も何度も繰り返し観てしまったのが、この、ジョニー・キャッシュの"Hurt"のミュージック・ヴィデオ。
 僕は彼のベスト盤を一枚持っているだけだしカントリーは門外漢であるので、元祖マン・イン・ブラックことジョニー・キャッシュについて講釈垂れる立場にはまったくないのだけど、まあとにかく簡単に説明すると、彼はエルビスを輩出したサン・レコードからデビューしたカントリー/初期ロックンロールのスターで、生涯の伴侶となるジューン・カーターと結婚するまでのスキャンダラスな半生は映画『ウォーク・ザ・ライン』で描かれている通りだ。
 90年代に入ると、時代は移ってカントリーはすでに若い世代には魅力のない古臭いものと看做されるようになっていたが、キャッシュはU2の作品に客演したり、リック・ルービンのレコード会社に身を置いたりするなどして、新たな客層を得ることに成功した。リック・ルービンといえば、ヒップホップやへヴィー・ロックの名プロデューサーとして数々の業績を残しているわけだけれども、その彼ならではの提案で、キャッシュはサウンドガーデンやデペッシュ・モードなどの若いアーティストの曲のカバーを吹き込んでいる。
 そのうちの一つに、ナイン・インチ・ネイルズの"Hurt"がある。 
 The Downward Spiral同曲が収録されたNINの2ndアルバム『The Downward Spiral』は、フロントマンのトレント・レズナーの狂気と焦燥と鬱屈とが余すところなく封じ込められて、最低限のポップさを失わないまま内省的な抒情性と破滅的な攻撃性が奇跡のようなバランスで同居する、NINのキャリアどころかインダストリアルというジャンルのなかでも禍々しく光り輝く孤高の大傑作といっていいだろう。と、少々大げさに飾り立ててしまったものの、決して誇張にはならない。この異様な作品のラストに添えられた"Hurt"に至っては、レズナーはついに「人間やめますか」のギリギリのところまで行ってしまうのだけれど、まあ、こうした音楽が思春期の健全な少年少女の心性にアピールしないはずもなく、僕もまた、高校生の頃など随分と助けられたものである。
 さて、このような絶望した若者の歌が、キャッシュの手にかかると、月並みな表現になってしまうが、人生の酸いも甘いも知り尽くした老人の諦念の歌に翻案される。アコースティックなアレンジや彼の歌唱が素晴らしいのは勿論のことだが、この曲に関してはミュージック・ヴィデオの映像の卓越さに触れないわけにはいかないだろう。豪奢な、そしてその分だけ寂しげな邸宅でキャッシュが独奏する映像を軸として、そこに彼の人生の各ステージでの映像がモンタージュでいくつも挿入されることで、自らの来し方を決して美化することなく振り返る老人の静かな孤独が見事に表現されているように思う。この撮影の時にはキャッシュはすでに病に侵されており、7か月後の2003年9月に、その3か月前に先立たれた最愛の妻ジューンを追うようにして、帰らぬ人となっている。
 なお、このヴィデオは、2003年のMTVのベスト・ミュージック・ヴィデオに選ばれ、今年に入ってTime誌のThe 30 ALL-TIME Best Music Videosにも選出されている。

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